WNGの歴史

 

初期の頃

Wessell, Nickel & Gross(ヴェッセル・ニッケル&グロス、以下WNG)は、オットー・ヴェッセル(Otto Wessell)、アダム・ニッケル(Adam Nickel)とルドルフ・グロス(Rudolph Gross)の3人で創設しました。3人は、スタインウェイ&サンズにアクションを納めるアクション部品メーカーに居ましたが、1874年に自分たちのアクション会社 − WNGを立ち上げ、メイソン&ハムリンなどアメリカの有名メーカーにたくさんのアクションを納めていました。

新たなるスタート

2005年、カークとゲイリーのバーゲット兄弟(バーゲット社)がWNG社を取得、オットー、アダム、ルドルフがかつて新しい思考とアイディアでピアノアクションの改良を行ったように、カークとゲイリーもアクションの改良に取り組みました。

ピアノアクションの先を見据えた数々のアイディアは、「100年以上前から、木材が最良の材料なので、ピアノアクションは木材で造られています。最新の材料科学を使えば、我々はもっと良いピアノアクションを創ることが出来ないだろうか?」という基本的な疑問から生まれたものでした。

この疑問を出発点として、複合材料や炭素繊維強化プラスチックといった現代の素材の研究を進めていきました。その結果、高い強度、高精度な加工性、高い耐久性、経年変化の少なさなど、今後のピアノアクションを変革させるのに、複合材料が優れた潜在能力を持っていることがわかりました。

ただのアクションではなくそれ以上の物

WNGはまた、これまでのピアノ技術者用工具の性能を高め、従来の欠点を克服することに取り組みます。ピアノ技術者のストレスを減らし、より作業しやすい工具を開発したいという想いを抱き、「我々はもっと良いものを創ることが出来ないだろうか?」とういうピアノアクションの哲学をピアノ工具にあてはめました。WNGの整調キットは、グランドピアノのためにピッタリの大きさに合わされています。スムーズなピン交換の為のツール、アルミニウム製ならし定規と革新的なあがき定規などがあり、WNGのツールの多くは、ピアノ技術者のことを考えて開発されたものです。

WNGのパーツは複合材料から作られますが、それは多くの技術者にとって未知の素材です。その為、ブッシング交換からアクション交換に渡るまでの幅広い研修クラスを、WNGジャパンでも開催していきます。

 

 

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